博多の郷土料理【もつ鍋】

 

　

 

もつ鍋とは、牛や豚のもつを材料とする鍋料理で、福岡市周辺の郷土料理として始まりました。

 

ルーツとしては、戦後までさかのぼりますが、当時朝鮮の人々がアルミ鍋でもつとニラを炊いて醤油で食べていたようです。形としては焼肉や、ちりとり鍋に近かったのです。

その後、もつとニラ以外に、味付けなども変化して、すき焼き風にして食べるもつ鍋が出てきました。

 

このすき焼き風もつ鍋を提供している中、お客さんから最後の締めに麺を入れてみたいと持ち込んで試したのが「ちゃんぽん鍋」です。これが大変評判が良く、もつ、ニラの旨みが溶け出した醤油味のスープにこれらを十分に吸い込んだちゃんぽん麺。これらがマッチして完成したのが、【もつ鍋】なのです。

 

　

 

時代は進み、調味料も富み、出汁をベースに醤油や味噌を加える、現代のもつ鍋になっていき、食材もキャベツやニンニクなども加わり現代のもつ鍋となって行きました。

 

郷土料理だった【もつ鍋】ですが、バブル崩壊あたりで東京で一大ブームを起こし、全国にその料理名が知られるようになりました。

しかし、まだまだ当時は冷凍の技術、配送網など、鮮度を安定的に出来ず、またブームの下火によって、一時は衰退した産業となりました。

 

しかし近年ではもつ鍋に入っているコラーゲンやビタミン、高タンパクで低カロリーと美容健康にも良いことがわかり、一昔前のブームでは主に男性サラリーマンが食べる料理の印象が強くありましたが、現在では女性ももつ鍋を食べる機会が増えてきました。

 

鍋で煮込まれ、旨みが凝縮しているスープと、もつと野菜といった栄養満点こそが博多もつ鍋で、医者入らずと言われるくらい多くの栄養素が入った郷土料理「もつ鍋」です。